2021年12月11日土曜日

ホロライブの二次創作設定2(ポルカ)

見てぇ…ポルカがケーキ屋のバイトで寒空の中震えてケーキを売り、クタクタになりながら売れ残ったケーキ1つもらって帰宅し、玄関で靴をぬぐ時によろけてケーキの箱を踏み抜くとこが見てぇよ…


 という「かにぼなーら」氏のツイートが刺さったので、アレンジして、思いつくがままに一篇書いてみました。かわいそうは可愛い。

正確には「設定」というわけではないですが……まあいいか。


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 時刻は、12月25日0時。人もまばらとなった樺幌駅北口の地下通路の中、赤い帽子を目深にかぶった女がいた。

「ケーキ……ケーキ、要りませんか……?」

ポルカは、クリスマスケーキを売っていた。道端や駅の中ではないのは、警官に捕まるからである。そう店長に教えられた。

「ケーキ要りませんか?甘くておいしい、クリスマスケーキだよ。」

足を止める者はいない。手に白い立方体のようなものを持った者すらいる。彼らに、この3,500円の菓子を売りつけるのは、無理と言うものだ。


 ポルカは11月分の家賃と12月分の家賃をまだ支払っていない。食費と光熱費、歌の月謝に圧迫されて捻出できず、12月は日払いのバイトを可能な限り掛け持ちして金を貯めていた。それでも11月分にあと1万2千円がどうしても足りない。12月分に至っては目途すらついていない。

ポルカは、今日中に1万2千円を調達して、26日朝イチに大家に振り込まなければ、家賃を2か月分滞納したかどにより、1月から住む場所が無くなる。それはポルカの夢の終わりを意味する。


7時間前に売り始めた時には、あんなにいた人が、もう数えるほどしかいない。「0時30分までに帰ってこい」と言われている。なるほど、これから粘ってもケーキは売れないだろうし、むしろ生ものは傷んでしまう。

ポルカは、荷物をまとめてその場を立ち去らざるを得なかった。



 カランカラン

CLOSEDが掲げられた店の扉をくぐる音も、今日のポルカにとっては自分を責めるような響きを感じさせた。

「おう、戻ったな。ケーキは売れたのか?」

ポルカは、予想はしていたものの、その言葉に肩をこわばらせ俯いた。

店内を片付ける店長は、まだ店内にいた。日付も替わった店舗には、他に誰もいない。当然ながら店舗でもケーキを売っていたが、他の従業員は23時までに全員帰った。

「おい、ケーキは売れたのか」

店長は、念を押すように繰り返す。

ポルカは、売上金とお釣り入れと持ち出し帳簿を店長に渡した後、店の玄関に隠すように置いておいたケーキを、怖ず怖ずと手繰り寄せた。

「ひぃ、ふぅ、み、…、…」

店長は売れ残ったケーキの箱の数を数え始めたが、数え上げるたびに声が小さくなっていき、ついに無言となった。

「……あの、……あの、……」

ポルカは、体の向きこそ店長の方に向けていたが、顔を上げることはとてもできなかった。売れなかったのは事実だし、もはや申し開きをする余地は無い。


「バイトぉ!!お前、売ってこいっ言(つ)ったのは25個だったよなァ!!なんで11個も売れ残ってやがるんだ!!」

「はいぃ……」

店長の怒号が響き渡る。

今年のケーキの売り上げは、ただでさえ不振であった。ポルカに持たせたケーキ以外にも、店舗売りの分でいくらか売れ残りがあり、それは店舗で業務をしていたバイトに持ち帰らせていた。


「なんで売って来ないんだ!!おい!?11個も、どうしろって言うんだよ!!!?」

「はいぃ……」

本当は店長も、自分で何を言っているのか論理的な思考ができていない。売れなかったものは売れなかった、それ以外なんでもない。しかし、店の経済事情も手伝って、つい怒鳴り声が出てしまう。

ポルカは、自分の責任を思い、何も言えない。声が震える。

「うぅ……すみません……」

「3,500円のケーキだぞ!!25個、9万円入る前提で、店をやってんだ!ここに11個も残ってたら、4万円も足りないんだぞ!!お前の今日の日当の5倍だ!意味わかってんのか!!?」

「ひぐっ……ずみ……すびばせ……」

「てめぇ!!泣いて4万円できるなら俺はいくらだって泣くぞ!!お前!!!?」

「はぃぃ……」

泣きたくて泣いているのではない。自らの力不足と、金銭的な不安とで圧し潰されて、体から水分が絞り出されてくるのだった。

ポルカには、もはや何の策も無い。深く深く首を差し出して、目頭から逆流して鼻梁から伝わる涙を、床にぽたぽた垂らすことしかできない。



 30秒ほど、ポルカには永遠とも思われる長さの沈黙が過ぎた。

店長としても、どれだけ怒っても金が出てくるわけではない。怒りも、時間によって減衰していくものだ。

「はあ……仕方ないな……。お前は今日の日当持って、さっさと帰れ。俺は片づけをするから」

店長はポルカを睨めつけるのをやめて、工房の方に戻って行こうとした。

「てん…店長!!」

ポルカは、しかし、怒られて終わりではない。頼れる人がいない。今のところ、この店長しかいないのだ。

「何だ、ケーキなら持って帰っていいぞ。2つでも3つでも」

「その……」

ポルカは、俯いたまま崩れ落ちるようにその場にうずくまった。

店舗の中央のテーブルに置かれた給料袋には、「尾丸 8,000円」と書かれている。

「店長!!!!4千円貸してください!!!」

絞り出すように叫んだ。

ポルカには、ここでしか、金を調達する手段が無い。ケーキは25日は委託分のみなので、店舗は休みである。今日ここで、店長に頼むしか、ポルカのできることは無い。


店長の顔が、再び険しくなっていく。

「はあ……?お前、何言っているんだ?」

「来月には必ず返します!!家賃がたり……足りなくて……!」

「お前は!!ただでさえ4万円の損害出しておいて!!日当分だけじゃ足りなくておかわりってかァ!!??」

「すみません、本当に……でも、本当に、お願いします……」

「ずいぶんとわがままお嬢ちゃんだなあ!!?おじちゃんが何でも買ってあげようか!!!?あぁ!!!!?」

「すみません、すみません……」

いよいよ店長の声は怒りに震えてきた。

ポルカは店長の靴を前に、額をタイルの床にこすりつける。踏みつけられてもいい、蹴られてもいい。何を犠牲にしても、しがみつかなければならない。



 「尾丸」

一転、店長は静かな声で伝える。

「顔を上げろ、尾丸」

ポルカは涙と鼻水が鼻筋のところで混じり合った汚い顔を店長に向けた。

店長は、真剣な、しかし穏やかな目をしていた。

「俺は18の時にケーキ修業を始めた。その時にお前と同じことをした。お前には、夢が、あるんだな?」

「は……っあ゛い!」

ポルカはぐちゃぐちゃな顔で、しかしこの世で最も美しい瞳で、店長を見つめて応えた。

「わかったよ」

店長は自分の財布を取り出し、紙を1枚差し出して言った。

ポルカは、それを、うやうやしく両手で受け取る。

「最初で最後。1万円だ。お前の夢を応援する。とっておけ。出世払いだ」

「あり……ありぎゃふほざいます!!!!」

ポルカは再度、額を床に叩きつけた。



 クリスマスイブは終わった。世間のカップルは幸せを享受し、小さな子供は期待を胸に眠るだろう。

ポルカは、なんとか調達できた先月分の家賃を大事にしまい、ケーキをカゴに3個も積んだママチャリで帰路についた。

白い息を細く吐く。ポルカは、さっきまで過度の緊張に晒されて感じていなかった寒さを、ようやく意識し始めた。冬至からほんの2日である。雪こそ降っていないものの、寒風吹きすさぶ真冬の空気は、ポルカの体温を確実に奪っていた。貧乏な身で、マフラーはボロボロ、上着も薄いものしか羽織っていない。

ポルカは、情けをかけられたものの、孤独であった。不安とストレスと空腹と寒さは相乗され、ポルカの体力と集中力を削っていく。歯がかみ合わない。


「はぁ…っくしょん!」

交差点を通り過ぎるときに、ちょうど、くしゃみが出てしまった。横断歩道から歩道に乗り上げる瞬間、自転車が揺れて、前カゴに載せていたケーキが1つ、右方の車道に転がり落ちた。

「あぁっ!」

ポルカはとっさに右手を伸ばしてケーキを落とすまいとした。しかしその手は空を切り、逆に自転車はバランスを失い、段差で揺れた衝撃で2つ目のケーキが左方に飛び出した。

ポルカは混乱して両手をハンドルから離してしまった。今度こそ操縦を失った自転車は縁石に衝突し、前のめりに転倒した。ポルカは体を投げ出され、受け身も取れずに顔から道路に叩きつけられた。しかし、幸か不幸か顔面はちょうど投げ出された3つ目のケーキに突っ込んだので、切り傷を負うことはなかった。

周りには誰もいなかった。助け起こしてくれる者も、心配してくれる者も。ポルカは、無言で立ち上がった。自身のけがが大したことがないことを確認すると、無性に腹が減ってきた。3つ目のケーキは、自分の顔と体でぺちゃんこになり、2つ目のケーキは自転車の後方にあった……ど真ん中に自転車のタイヤ痕が残っている。最初に投げ出されたケーキの箱は車道に、あっ、たった今乗用車に踏みつぶされた。



 「うぐ、えぐ、えっ……」

ポルカの目から止め処なく涙が噴き出した。

人生って、こんなにつらいものだったっけ。

しかし、お腹がすいた……

ポルカは、3つ目のケーキの箱の中身の、まだ食べられる部分を手ですくって口に押し込んだ。


----------ケーキ要りませんか?甘くておいしい、クリスマスケーキだよ。


ポルカはその味を堪能することはできず、しょっぱいイチゴと砂利混じりのスポンジケーキを夢中で食べていた。12月25日午前1時30分のことである。



メリー、メリークリスマス。

あなたに、主の加護があらんことを。




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なんか、書いててすごくつらくなってくるんですけど。

まあこのつらい経験の後、修行が実って、夢をかなえつつある、って所でお許しください。


2021年11月4日木曜日

ホロライブの二次創作設定1(わたしし)

  ホロライブを見ていて・他人の妄想を聞いていて、設定や物語を進めて他人にも共有するのが楽しいので、成形前の設定段階ですが、いくつかここに書き留めておくことにします。

 最初に開陳するのは「わたしし」。二次創作界隈では、「×」の左側は攻め(タチ)、右側は受け(ネコ)を表すというルールがあります。それに則ると、この妄想は「わたしし」です。「ししわた」はぼたんのデビュー前から盛り上がっており、ししわた最初のコラボでもとりあげられ人気のカップリングです。しかし、それの逆カプはほとんど見ません。無ければ作ればいいんだよなあ!



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わたしし妄想


前提1:ぼたんとわためはししろフーズの社員寮にて2人で暮らしています。

前提2:ぼたんはギャングタウン出身で過去に色々ありました。



ぼたんは時々、不眠になる。忘れていたはずの過去の記憶が、ぼたんを安眠から引き戻す。

様々な脅威から逃げて、時には立ち向かわなければ生き残れなかった。

強大で足がすくむような相手、恐怖が脚を揺らした。

敵の弱みにつけこむために、弱い者を虐げた。

そうして恨みも多く買った。自分は突然殺されてもしかたない人間だ。

何度か寝首をかかれそうになり、死線を何度かくぐった。

ぼたんが今生きているのは、幸運か、悪運か。




ぼたんが脂汗と共に飛び起きると、そこはししろフーズ社員寮だった。

深夜にもかかわらず、わためが静かな瞳でぼたんを見つめる。

「寝顔、苦しそうだったよ。ぼたんちゃん、怖い夢見てたの?」

ぼたんはずっと不思議だった。

わためは、何度もぼたんに怯えさせられているのに、ぼたんと一緒にいる。

かなた先輩やココ先輩などと一緒に行動することもできるのに、わざわざ自分といるのはなぜ?

「ぼたんちゃんって、なんだか、放っておけないんだあ」


ぼたんはたまらず涙をこぼした。

これまで誰にも言えなかったこと、たのしくない思い出、きれいでない経験。

ラミィやねね達には、決して言えなかった。彼女たちのような明るい世界の者に、自分の汚い世界を押し付けてはいけない。

でも、わため先輩なら、ふわふわな綿毛で包んでくれると思った。どんなに不快なことでも、わため先輩は、信用できる。


信じたい。





ぼたんちゃんは、ぼたんちゃんでいるだけでいいんだよ。

ぼたんちゃんは、責任感が強いから、がんばっちゃったんだねぇ。

人間って、大変だよねぇ。

生き抜くだけで、いろんな人に迷惑かけたり、叩かれたりして、人間でいるだけで、疲れちゃうよね。




だから、わためぇが、ぼたんちゃんを人間で無くしてあげるね。




わためぇといるときは、ぼたんちゃんは誰も傷つけないし、誰からも傷つけられないよ。

説明しなくてもいいし、本当のことを言わなくてもいいんだよ。


わためぇといるときは、いつでも、人間、やめていいよ。

わためぇはね、ぼたんちゃんが、人間やめたら、かわいいと思うな。

頭、なでてあげる。お尻、触ってあげる。

あっ、喋っちゃだめだよぉ。ぼたんちゃんは、今は人間じゃないんだから。

わためぇの胸でおやすみ……




ぼたんは、ほとんど生まれて初めて、帰るべき家を持った。

建物の家ではない。わためといると、素直な自分、自分の全てを知った上で許される。

他人と会うときにはいつも通り。長年しみついた警戒や猜疑が頭をもたげる。

わためといるときは違う。人間でいることを捨て、罪という罪、責任と言う責任を全て肩から下ろし、裸でいられる。

帰ってわために一言伝えれば、ぼたんは理性から離れられる。

わためはぼたんの心のよりどころになった。




ぼたんは、家でわために甘える時のスイッチがほしくなった。

さすがに料理をしたり出かける直前までわために甘えっぱなしというのは難しい。

ふと、街中で目に留まったのは、太く丈夫な首輪。非常に大型の犬用であってヒト用ではない。

それをつければ、ヒトをやめられる。わために甘えられる。


気づくとペットショップに入って、無骨な見た目の首輪を手に取っていた。

わため先輩は、似合うって、言ってくれるかな。気持ち悪いって、言われたりしたらどうしよう。

わため先輩を、信じたい。

不安より期待が勝って、買ってしまった。


押しつぶされそうなほど不安で、言葉に何度も詰まって、わためにお願いをした。

そんな気持ちとは裏腹に、わためは簡単に「可愛いねぇ。いいよぉ」と快諾してくれた。

それがもう、嬉しくて、嬉しくて。ぼたんはわための飼い猫になった。



翌朝。

もう出かけなければならない時間。わため先輩に褒められた首輪は大好きだけど、さすがに外にまでつけていくわけにはいけない。

自分はいい、どんな目で見られても構わない。しかし、何かの拍子で、わためまで奇異の目で見られるのは死んでも嫌だ。

「ぼたんちゃん、首輪は、ぼたんちゃんだと思って、わためぇが大事に持ってるからね」

わためは、ぼたんを所有してくれるという。なんと満たされる言葉だろう。




ぼたんが用事を済ませて帰ってくると、わためがにこにこしながら待っていた。

「本当なら、飼い主のわためぇが、ぼたんちゃんの首輪を買うのが本当だったけど、賢いぼたんちゃんに先越されちゃったぁ。お詫びに、外用の首輪、買ってきたからねぇ」




ラミィ「あれっ?ししろん、そのチョーカー、可愛いね」

ぼたん「おっ、気づいてくれた?わため先輩がくれたんだあ」



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 某絵師に布教されて妄想しました。ししろんが受けというのは少し難しかったですが、ぎゃんぐたうんちほーから来たという設定から、あまりひねらずに作りました。


 ししろんがぎゃんぐたうんちほーで何をやってたかは、説明できていないのですが、最低でも強盗はしているし、相手にけがを負わせるくらいはやってないと、この話の前提が満たせません。ししろんが人を殺した経験があると、話の展開が非常にやりやすくなり、わためぇへの依存も高めることができます。しかし、僕は創作の中では可能な限り人を殺したくないので(話が安直になりすぎるから)、悩みどころ。


 イメージしたのはタロットカードのstrength(力)。

 見てのとおり力の象徴であるライオンを、女性が手なずける絵です。ライオンはそのまんまししろん、女性はわためです。strengthが象徴するのは精神力、忍耐、勇気など。わためはししろんの過去を受け入れる勇気・精神を十分に備えているし、それを信頼するししろんの姿はタロットのライオンのように満ち足りた心持ちでありましょう。

2021年9月22日水曜日

日本のアイドルといえば源九郎義経。

 昨日投稿した記事について、全くTwitterへ告知しなかったので、狙い通り閲覧数が増えなくて良かった。

このブログの主な利用方法は、Google+の投稿やtwitterのtweetを保存するために移記すること。今回はアイドル論。


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 俺は、アイドルが「不完全」なのは昔からだと思っていて、それは日本特有のものではないかと考えている。

日本のアイドルといえば誰か?沢田研二?松田聖子?バカ言え。


源九郎義経だ。


義経は強かった(平氏討伐の総大将)。

しかし、頼朝と対立して討たれてしまう。


 日本人は、大成功したヒーローよりも、哀れな散り際のアイドルを好んだ。

「ここが、こうなってれば……」「もしも、彼がこうしていれば……」そういう想像をさせる、切ないストーリーが、アイドルを引き立たせる。

「不完全」なアイドルは、この需要に十分に応えるものだ。


https://twitter.com/nattosansai/status/1389230063766233091

https://twitter.com/nattosansai/status/1389230065754333185


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 アイドルの不完全さについては、かなり考察を進めている。

アイドルは歌がへたくそで、ダンスもどんくさく、大して可愛くもないのに、なぜステージに立たせるのかという話だ。

それは、日本人が「ストーリー」大好きだからだと考える。

ストーリーは始まりがあり、終わりがある。

平家物語のように、平家や義経の切ない終わりが、日本人に刺さったのである。

アイドルと義経の共通点は、「弱い」「不完全」ということだ。


 不完全な者が、試行錯誤・切磋琢磨しながら、強者に立ち向かうストーリーが日本人に受けるのである。

もしも、強者に勝ってしまったら、そこでストーリーは終わってしまう。だから、デビュー時の能力は「低い方がいい」。

僕らはそのストーリーにこそ、金を出す価値があると信じている。

2021年9月20日月曜日

シャルイース7「NON-OFFICIAL pronunciation of "SHALLYS" by Aki Rosenthal for English speakers」

 シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録7


英語話者がシャルイースの歌詞の読み仮名を欲しているようだったので。僕は英語話者向けの発音法を書くのは初めてなので、正しいかどうかは知らん。


NON-OFFICIAL pronunciation of "SHALLYS" by Aki Rosenthal for English speakers

【3DMV】シャルイース /Aki Rosenthal【ホロライブ|民族調オリジナル】

https://www.youtube.com/watch?v=Ii7rtNaGlls


kon-thars har-ley-lee-ah on shar-lew-ees

ah-nim mee-ta po-oh-ti-ma ee gee-you-leek

zee kloks ok-nok-les dee-now key-theeng

har-poo-ah muu-keel-le shar-le beh-ee-lew


ya-yi-dee-lee-la lew mee-nas sak-chua

deeg naw weh mee-na-sew lee-gar-dee-ah

dee-she dee las-we-na veh-tee-kas

dee mee woy-la jew mo-lo-hew har-poo-ah


kon-thars har-ley-lee-ah on shar-lew-ees

a-nim mee-ta po-oh-ti-ma ee jew-leek

ar-lo-vi-ar-two-loom stew-li-ah

non to-kee-as stew-lee-ah


kon-thars har-ley-lee-ah on shar-lew-ees

a-nim mee-ta po-oh-ti-ma ee gee-you-leek

zee kloks ok-nok-les dee-now key-theeng

har-poo-ah muu-keel-le shar-le beh-ee-lew



eas tu-na lee-gar-lee vee-dee-ah

fa-la-toast-toh loo-mee-ah deez loh-moh

koo-loo-soo wee-nee-ah nee-nah ee jew-leek

meh-neh-las-moo oh-koo-loo-lew


dee-lee-lah-lew pee-poo-lew nord-moo-lew

fal-mah im-bee-lah-leh mah-moo sil-lee-ful-lee

oh-noh-mah-bul va-nee-loh wound-ah-loo-neh

dee-nah wee-ah sah-lah-meh

teh-kan-toh mee-lah-lee-lah ah



har-feet las-ee-mee-ah

fee-mor-la sie-lo ney-kon-ni-a

dee mee woy plop-poh neh-oh-nah

fee-mor-la sie-lo la la


kon-thars har-ley-lee-ah on shar-lew-ees

a-nim mee-ta po-oh-ti-ma ee jew-leek

zee kloks ok-nok-les dee-now key-theeng

har-poo-ah muu-keel-le shar-le beh-ee-lew


moh liu peh sa-ang-toh

moh lat teh kan-to

dee mee woy-la jew mo-lo-hew hor-la

dee mee woy-la jew mo-lo-hew har-poo-ah.


誰かが役に立ててくれると嬉しい。

2021年9月19日日曜日

シャルイース6「歌詞解釈」

 シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録6

①歌詞解釈

②「ハァフィット ラスィーミヤ問題」

③「プロッポ ネオナ問題」


①歌詞解釈

「安息の地」というのを、エルフの森、または集落とし、歌詞の中でずっと「歩き続け」ている「旅人」を「私」とする。「妃」と「王」を、(1)エルフの集落にいるエルフ族の指導者とするか、(2)旅人の右腕と左腕等の隠喩とするかによって、歌詞の解釈が大きく変わってくる。


(1)「王」や「妃」が人物を指している場合。もっとも単純な解釈としては、「魔の手」によってエルフの森が焼かれるなどして、妃や王は奮戦の結果、名誉の戦死。家族や友を失ったエルフの女戦士(たち)が、「魔の手」から「安息の地」を取り戻すために進む。

エルフの森は「異界の渦」に飲まれてしまった(占領されてしまった)が、「安息の地」を取り戻せば、「故郷の鐘」を再建し「揺らす」ことができる。ポーランドの国歌「ドンブロフスキのマズルカ」が同じような内容だ。


(2)「王の剣が魔を払う」ではなく「王」自体が剣となって「魔の手を切り裂く」と歌っており、「王」が「旅人」の道具扱いされている可能性がある。エルフ語の言い回しにおいて、「妃」や「王」が「足」や「腕」の隠喩かもしれない。

このように解釈すると、「旅人」は「魔の手」から「安息の地」を護るために旅をしているのだが、「異界の渦に飲まれて」しまったら、どうやって「また立ち上がる」のかわからない。エルフという設定からも、どこかに攻め込もうという意志は感じられないので、こちらは微妙であろう。

以上から、shallysのストーリーを想像する。


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エルフの村が敵に襲われた。家族を殺され、王も妃も散った。自分はなんとか生き延びたが、心に深い傷を負った。敵は追いかけてくるかもしれない。敵の手にかかるくらいなら、同じく生き延びた仲間とともに命を絶とうとも考えた。

しかし、生き残りのまとめ役の女戦士が声を上げた。「灯火を掲げよ」それは戦いの合図だ。このまま命を絶っては、敵の思うがままだ。森はエルフの庭のようなものだ。いざ、故郷を取り返そう。


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こんな感じでどうか。



②「hafyt lasymya問題」

"hafyt lasymya fymola shelo neykonya"の5語に対して、「ふと立ち止まって見上げた空に愛する家族の顔が映った」が対応しており、意味が多すぎる。なお、日本語の訳詞では、助詞も含めると14語もある。

しかも、そのうち"fymola shelo"は「愛する~の顔(が映った)」がほぼ確定しており、おそらく"neykonya"も、「家族」であろうことは続く文章から想像できる。つまり、"hafyt lasymya"の2語で「ふと立ち止まって見上げた空」を表現できるかという問題になる。


(案1)"hafyt"動詞説:まず、和訳文において「ふと立ち止まって見上げた」の主体は話者で、空に「愛する家族の顔」を見出したのも話者。とすると、この文は話者の一人称で構成されるのが自然だ。エルフ語では一人称は省略されるので、文頭の"hafyt"が動詞だとするとどうなるか。

意味が自由なのが"lasymya"だけで、この1語だけで「ふと立ち止まって見上げた空」を表現するのは非常に難しい。また、この部分の訳詞には「立ち止まる」「見上げる」「映る」と動詞が3つもあり、これらがそのままエルフ語にも書いてあると考えるのはやはり無理がある。


(案2)"fymola"動詞説:続く文章で"fymola shelo lala"が「愛する友の顔が映った」なのだから、「映る」には"fymola"を対応させるのが妥当だろう。構文はやや複雑で、「ふと立ち止まって見上げた空」が主語で、"fymola"が動詞。話者の家族の顔を映し、話者はそれを見ていることになる。

「愛する」は省略可能と考えると(家族や友は愛するのが当然である)、"shelo"が「顔」、"neykonya"は「家族の」となる。後置修飾はエルフ語の特徴の一つかもしれない。和訳文で"hafyt lasymya"には「立ち止まって見上げた」と話者の行動を示すような内容が入っているが、"fymola"の主語と合致しない。

そこで、慣用表現が使われていると仮定する。例えば"hafyt"を「空(名詞)」、"lasymya"を「動きを止めている(形容詞)」としたらどうか。森に棲むエルフ族にとって、「空」は森の木々の合間から見上げるものであって、自分が歩いていると空の形は常に変わり続ける。

それが「動きを止めている」のだから、自分が立ち止まっていることを表現できる。こうすれば、"hafyt lasymya"の2語だけで、「(ふと)立ち止まって見上げた空」を表現できる。もしかしたら、"hafyt"は、「空」よりも形の変わりやすい「木漏れ日」かもしれない。可能性として保持しておこう。



③「plopo neona問題」

"hafyt lasymya"問題が解決したと思ったら、直後の文章がまた難しい。"dy my woy"は「また歩き出す私」でほぼ確定している。これを"plopo neona"の2語で、「『愛する友の顔を映す』ことができる主語」に転換しないといけない。

そもそも「私の隣」は何を指しているのだろうか。先述の歌詞解釈は、これのヒントを探すために行った。「友」が戦友のことだとすると、映るも何も、友は実際に隣にいることになる。"plopo"を「居る」、"neona"を「~の隣」とすれば、「また歩き出す私が居る隣に友の顔が映る」となり意味が通る。


「plopo neona問題」に1週間くらいかけて、ついでに歌詞解釈もできたのでエルフ語の理解が深まった。まあ、まだshallys3大問題のうち最大の「menelasmu okulull問題」(訳詞:面を上げお前の信頼を数えよ)が残っているんですけどね……。

2021年9月18日土曜日

シャルイース5「エルフ語アルファベット表記(新版)」

 シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録5

①長母音廃止

②shallysローマ字表記(改)

③単語(改)


①長母音の廃止

やはり長母音を廃止するのが最も考えやすいと判断した。長母音を廃止しても意味や構文上の影響が無い。「シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録1」を大幅に変更する。

iの全てをyに書き換え、uuはyuにし、他の長母音も全て短母音と合流させる。これによりアキロゼエルフ語の正書法が大きく変化するため、新しいローマ字表記を紹介する。なお、i母音の表記をiではなくyにしたのは、唯一公式によってローマ字化されている単語が"SHALLYS"だからである。

また、"jyulyk"と"neykonya"から、「母音が連続した場合それらが一緒に発音されることがある。」としたい。すなわち、エルフ語に「二重母音」が元々あって時代が進むと別々に発音するようになったのではなく、「母音単位の音節」が元々あって、歌ってる間に続けて発音するようになったと考察する。


ア:長母音と短母音の別がある→長母音廃止。各短母音に統合。

イ:長母音yの後に母音が来る場合、yは子音としてもはたらく→長母音yと短母音iを統合して母音yを設定。

ウ:変更なし。

エ:変更なし。

オ:長母音uuはiuuのように発音する。→廃止。uuはyuと書き直す。



②「シャルイース / SHALLYS」

--大地の唄--

konthaz haleylya on shallys

コンターズ ハレリィア オン シャルイィス

(安息の地を慮りながら)


anym myta potyma y jyulyk

アニ(ムゥ) ミータ ポーティマ イ ジュリーク

(灯火を強く抱き進む)


zy kloks oknoklez dynaw keythyng

ズィ クロクス オクノークレズ ディナゥ ケイティーン

(そうだ、私には沢山の守護者がいる)


hapua myukyll shall beyll

ハプア ミューキル シャル ベイル

(この幸福は故郷の鐘を揺らすだろう)


yaydylyla lew mynas sakchua

ヤァィディリラ レウ ミナスゥ サクチュア

(妃は聖域を魔の手から護る)


dyg naw we mynas (dy) lygadya

ディグ ナウ エ ミナス リガディア

(王は魔の手を切り裂く剣となる)


dyshy dy laswena vetykas

ディシィ ディ ラスェイナ ヴェーティカス

(例え異界の渦に飲まれても)


dy my woyla ju moloh hapua

ディ ミ ウォーイラ ジュ モロフ ハプア

(また歩み始める彼女の明日に祝福を)


Chor.

alovyatulum stulya

アローヴィアートゥルム ストゥーリア

(これはとある旅人の物語)


non tokyas stulya

ノン トキアス ストゥーリア

(そして他でもない君の物語)


ju moloh hapua shallys

(かの国の未来へ祝福を)


es tuna lygaly vydya

エス トゥナ リガリ ヴィディア

(成すべきことがあるならば生きるのだ)


falatosto lumya dyz lomo

ファラトスト ルーミア ディズ ロモォ

(かの死は名誉だが美徳ではない)


kulsu wynya nyna y jyulyk

クルス ウィニア ニナ イ ジュリーク

(声を上げよ、拳を上げよ、灯火を掲げよ


menelasmu oklull

メネラスム オクルル

(面を上げお前の信頼を数えよ)


dylylall pypull nodmull

ディリラル ピプール ノードムル

(踏みしめた足が秩序を刻む)


falma ymbylale mamu sylyhuly

ファルマ インビラーレ マム スィルリフリ

(呼応するファルマの鳴き声に誘われ)


onomabull vanylo undalune

オノマブル ヴァニロ ウンダルネ

(指でなぞるせせらぎに言葉を乗せて)


dyna wya salame

ディナ ウィーア サラメ

(さて歌おう、あの碑の代わりに)


te kanto mylalyla

テ カント ミラリラ ア

(どこまでも続く大地の唄を)


hafyt lasymya

ハァフィット ラスィーミヤ

(ふと立ち止まって見上げた空に)


fymola shelo neykonya

フィモラ シェロ ネィコンニア

(愛する家族の顔が映った)


dy my woy plopo neona

ディミ ウォーイ プロッポ ネオナ

(また歩き出す私の隣に)


fymola shelo lala...

フィモラ シェロ ララ… ララ

(愛する友の顔が映った)


Chor.


mow lyu pe sangto

モウ リュ ぺ サント

(大丈夫、昨日の傷はもう癒えたから)


mow lat te kanto

モウ ラタ テ カント

(大丈夫、今日も大地は味方だから)


dy my woyla ju moloh hola

ディ ミ ウォーイラ ジュ モロフ ホラ

(また歩み始める彼女の明日にどうか…)


dy my woyla ju moloh hapua 

ディ ミ ウォーイラ ジュ モロフ ハプア

(また歩み始める彼女の明日に祝福を)



③単語1

y(前置):~と共に

jyulyk(名):灯火

zy(感):そうだ

hapua(名):幸福

myukyll(動・意志・三):揺らす

shall(形容):故郷の・祖国の

beyll(名):鐘

yaydylyla(動・主・三):護る

lew(前置):~から

mynas(名):魔の手

sakchua(名):聖域

dy(前置):また~する

my(助動):~しだす

woyla(動・主格・三):歩く

ju(名):明日・未来

moloh(動・意志・三):たどり着く

stulya(名):物語

non(強調):他でもない

tokyas(代名・属格):二人称。

kanto(名):大地

woy(動・主・一):歩く

mow(感):心配はいらない

hola(感):どうか

2021年9月17日金曜日

シャルイース4「不自然な音素」

 シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録4

①音素について

連続子音を避ける傾向等から、子音より母音の方が優位な言語であることは確かである。マディソンら(2015)によると、湿潤な地域の言語では母音が多く使われるとのことなので、これは森林に住むエルフ族の言語のイメージに合う。

しかし、子音は21種、母音は10種と、子音が不自然に多い。アキロゼはハーフエルフ。交雑が生まれるほどエルフとセイレーンが交流しているなら、セイレーン語からの借用語が多く入っている可能性がある。あるいは、エルフが森林だけではなく乾燥地帯でも活動していて、複雑な子音を獲得していたか。


②口蓋垂の鼻音(ちょっとメタ発言失敬)

新シャルイースのラスト近くに"sangto"という単語があるのだが、この"ng"が完全に口蓋垂の鼻音(以下N)。後ろに口蓋垂音が無いときにNが登場する言語は非常に稀で、個人的には非常に困る。"ng"の日本語訛りとして、見ないふりをするしかないか。


③uuの扱い

「ユー」と発音することとしているが、stuliaのuがどうしても長母音に聞こえる。

uuを「ウー」とすると、muukillはmyukillとせざるを得ず、jyulikと合流し、jyulikにふた通りの発音があることと矛盾(とまではいかないが、非合理)が発生してしまう。

うーーーん

2021年9月16日木曜日

シャルイース3「詳細な発音及び文型」

 シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録3

①表記の修正について

②曖昧母音の挿入について

③llについて

④jyulikについて

⑤構文について


①表記の修正について

・lとrの区別は無い。rを全てlとする。

・poochimaをpootimaとする。

・tの一部をthとする。dの一部をdhとすべきかどうかはまだ考え中。


dyの一部をdiにしなきゃいけないかもしれないし、woiを中心にoをooにしなきゃいけないかも。


②曖昧母音について

"oknoklez"等に、曖昧母音が挿入される場合と挿入されない場合がみられる。この曖昧母音を正書法上表記するかしないかは言語によって異なるが、表記しないこととした。

語尾に曖昧母音が挿入される場合もあるが、カタカナ転写にも反映されていることから、仮にwと表記した。


③"ll"の発音について

"ll"は、過去には"ll"と発音していたと考えられる。もしかしたら、'r'に当たる発音が"ll"だったかもしれない。

時代によって'l'と"ll"が発声上合流、または混同されてしまい、区別のために"ll"を"lu"と発音するようになったかもしれない。


④"jyulik"は、文脈から明らかに同じ単語を、ふた通りの方法で発音している。理由としては、以下を考える。

ア、音節の捉え方が人間とエルフでは異なる。エルフ的には同じ発音。

イ、「尊い」と「てぇてぇ」のように、砕けた発音でも同じ意味である。または、少しニュアンスが異なる。

ウ、元は同じ発音だったが、エルフ代々の口伝によって変化したか、アキロゼが人間界に来て日本語を話している間に、歌の歌詞が変わってしまった。


アを採用する場合は、長母音と短母音の区別が意味をなくす可能性がある。

イはまあ、無難な考え方。

ウは少しメタだが、伝承歌なので不自然ではない。


⑤SVO型言語

先述の理由から、印欧語ラテン語族の構文を参考にしたいと考えている。しかし、僕はそっち系の言語を学んだことがないので偉い人教えて。

"hapua muukill shall beill"は、品詞分解すると

幸福(名)揺らす(動・三・意)故郷の(形)鐘(名)となり、見事なSVO構文となる。

2021年9月15日水曜日

シャルイース2「単語と発音に関する考察」

 シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録2

①sha ll ysはそれぞれ別単語か?

②yay di rylaはそれぞれ別単語か?

③エルフ語は主語を省略する言語か?

④エルフ語の流音はlかrか両方か?

⑤エルフ語の二重母音、子音はどの程度あるか?

⑥アキロゼの本名は日本人には発音が難しいのか?


①sha ll ysについて

動画によって、「シャルイース」とかかれる場合と、「シャ・ル・イィス」とかかれる場合とがあるため、別単語とする必要があるかもしれない。しかし、アルファベット表記で"shallys"と書いてあるので、悩み所である。


②yaydyrylaについて

「王妃は護る」という訳が当てられる(lewはアクセントが無いため『~から』という前置詞と判断)が良く似た次の行の文章に比べて単語が長すぎるため、yay dy rylaと三語に分けるのが適切かもしれない。その際に、真ん中の単語をdiとするかdyとするかも考える必要がある。


③主語の省略について

di mi woira(また歩き始めた彼女)と、

di mi woi(また歩き始めた私)から、

woiが動詞で、活用して形が少し変わっていると考えるのが妥当。また、単語の数から、woiraには「彼女」の意味と「歩く」の意味が両方入っている。究極的には人称代名詞の無い言語かもしれない。


④エルフ語の流音について

エルフ語の「シャルイース」を聞いた感じだと、rもlも両方使われているが、区別がないように聞こえる。日本語や中国語等でも、流音には区別がないが、世界の言語の中では少数派。少なくとも、エルフ語は印欧語ではない。


母音はa,e,i,o,uとその長母音、子音はk,g,s,sh,z,t,th,ch,d,n,ng,h,f,v,p,b,m,y,l,ll,wを確認している。thは初っ端の"konthaaz"等に適用する。

日本語にある発音が多いが、これはエルフ語が元々そうなのか、アキロゼが異世界からこっちに来る際に発声器官が変化してしまったのか不明。


⑥アキロゼの本名考察

前述のとおり、エルフ語の発音は日本人には容易と考えられる。

これは、アキロゼの本名が日本人には発音不可能ということと矛盾する。アキロゼはエルフ語に近い発音を日本語に近い調音方法で歌ってくれている可能性がある。

ところで、アキロゼは"jyulik"(灯火)という語を「ジーユーリク」「ジュリク」のふた通りの発音をしている。これは、日本人には異なるように見えるが、エルフ語では同一視される発音の幅かもしれない。

すなわち、"jyu"の部分にはエルフ語特有の発音方法が眠っている可能性があるということだ。

また、ll→luのような発音の転訛も気になる。このあたりが名前に入っていれば、確かに発音はしづらい。

2021年9月14日火曜日

シャルイース1「エルフ語アルファベット表記(旧版)」

 シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録1

エルフ語アルファベット表記(旧版)


前提1:異世界エルフの国出身、エルフ語ネーティブであるアキロゼの発音を最も優先する。

前提2:各動画に貼られている日本語訳は、当然、言語からの完全な逐訳は不可能なことから、大いに参考にする反面絶対視をしない。

前提3:カタカナ転写が用いられているが、外国語をカタカナ表記するときと同様に、そのままの発音では無いことに注意する。

前提4:カタカナ表記中のスペースを単語の区切りと見なす。



「シャルイース / SHALLYS」--大地の唄--

https://youtube.com/watch?v=lI861CIVGgo


(CHOR.)

kontaaz haleilia on shallys

コンターズ ハレリィア オン シャルイィス

(安息の地を慮りながら)


anim myta poochima i jyurik

アニ(ムゥ) ミータ ポーティマ イ ジュリーク

(灯火を強く抱き進む)


zi kloks oknoklez dinaw keityng

ズィ クロクス オクノークレズ ディナゥ ケイティーン

(そうだ、私には沢山の守護者がいる)


hapua muukill sha ll beill

ハプア ミューキル シャ ル ベイル

(この幸福は故郷の鐘を揺らすだろう)

(CHOR.)


yaydyryla lew mynas sakchua

ヤァィディリラ レウ ミナスゥ サクチュア

(妃は聖域を魔の手から護る)


dyg naw we mynas rigadia

ディグ ナウ エ ミナス リガディア

(王は魔の手を切り裂く剣となる)


dishi di laswena veertikas

ディシィ ディ ラスェイナ ヴェーティカス

(例え異界の渦に飲まれても)


di mi woira juu moroh hapua

ディ ミ ウォーイラ ジュ モロフ ハプア

(また歩み始める彼女の明日に祝福を)


kontaaz haleilia on shallys

コンターズ ハレリィア オン シャルイィス

(安息の地を慮りながら)


anim myta poochima i jyurik

アニムゥ ミータ ポーティマ イ ジュリーク

(灯火を強く抱き進む)


aroviaaturum sturia

アローヴィアートゥルム ストゥーリア

(これはとある旅人の物語)


non tokias sturia

ノン トキアス ストゥーリア

(そして他でもない君の物語)


(CHOR.)


juu moroh hapua shallys

(かの国の未来へ祝福を)

さて、単語だが、とりあえず下のようなものを想定した。動詞は恐らく主語が一人称の場合と三人称の場合で活用が異なる。あと意志形(~してほしい)がある気がする。


単語

i(前置):~と共に

jyurik(名):灯火

zi(感):そうだ

hapua(名):幸福

muukill(動・意志・三):揺らす

shall(形容):故郷の・祖国の

beill(名):鐘

yaydyryla(動・主・三):護る

lew(前置):~から

mynas(名):魔の手

sakchua(名):聖域

di(前置):また~する

mi(助動):~しだす

woira(動・主格・三):歩く

juu(名):明日・未来

moroh(動・意志・三):たどり着く

sturia(名):物語

non(強調):他でもない

tokias(代名・属格):二人称。

hola(感):どうか

woi(動・主格・一):歩く


"shallys"は"shall"の副詞形と考えるが、正確なニュアンスをつかみたい。「大地」とは異なると思う。

"di mi woira"は形容詞句的に使われている?

"juu"と"moroh"は逆かもしれない。自分の感覚でこの意味とした。

一旦ここまで。

2021年9月13日月曜日

シャルイース0「シャルイース考察目次」

シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録0

シャルイース考察目次

今後、Twitterや本ブログにて考察を追加した場合には、この記事を更新していく。


https://www.youtube.com/watch?v=Ii7rtNaGlls

#新シャルイース

【3DMV】シャルイース /Aki Rosenthal【ホロライブ|民族調オリジナル】


https://twitter.com/nattosansai/status/1282174193753194498

アキロゼエルフ語考察、自分が不便だ。インデックスしておこう。


備忘録1(ローマ字転写)

https://twitter.com/nattosansai/status/1277603600881971200

備忘録2(単語と音素)

https://twitter.com/nattosansai/status/1277776507885121538

備忘録3(詳細な発音と構文)

https://twitter.com/nattosansai/status/1281433221339549696

備忘録4(音声学的考察)

https://twitter.com/nattosansai/status/1282168390962954245


https://twitter.com/nattosansai/status/1291103602560208899


備忘録5(正書法・改)

https://twitter.com/nattosansai/status/1284811542333022209

備忘録6(歌詞解釈と逐語訳)

https://twitter.com/nattosansai/status/1287069198041010177

備忘録7(英語話者用発音解説)

https://twitter.com/nattosansai/status/1288299514135117824

2021年9月12日日曜日

シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録

アイドルVTuberグループ「ホロライブ」1期生であるアキ=ローゼンタール(以下アキロゼ)はハーフエルフであり、配信自体は日本語で行うが、その母国語は異なるとされている。この母国語は詳しく描写されていないため、仮に「アキロゼエルフ語」と呼称する。

アキロゼエルフ語はアキロゼのオリジナル楽曲「Shallys」(シャルイース)でのみ使用されている。アキロゼはアキロゼエルフ語で「Shallys」を歌う。

「Shallys」には、発音方法(日本語のカタカナによる)及び日本語訳が付されており、わずかだがその手掛かりが存在する状態である。

筆者は「Shallys」の内容に関わる限られた情報から、アキロゼエルフ語の正書法、文法、発声法、語彙等を考察し、また「Shallys」の歌詞及びアキロゼの経験からエルフ若しくはハーフエルフたちの歴史背景を考察する。

以下に、筆者がこれまでに言及したTwitter投稿を列挙する。のちに、全文を当ブログにコピーして貼り付ける。

筆者は筆者の研究した内容につき著作権を有するが、それを他人が利用することについて過剰な規制を良しとしない。内容のコピーについては、出典元を表記することで許可する。商用利用については、出典元を表記した上で筆者のTwitterアカウントまたはGmailアカウントにて承諾を得ることを条件に許可する。


それよりお前の「Shallys」についての考察を聞かせてくれ。


https://twitter.com/akirosenthal/status/1276835747513815040

https://twitter.com/nattosansai/status/1277451962892431360


https://twitter.com/nattosansai/status/1282174193753194498

https://twitter.com/nattosansai/status/1291103602560208899


シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録1

https://twitter.com/nattosansai/status/1277603600881971200

https://twitter.com/nattosansai/status/1277603602735886337

https://www.youtube.com/watch?v=Ii7rtNaGlls

https://twitter.com/nattosansai/status/1277603604451344385

https://twitter.com/nattosansai/status/1277603606036836353

https://twitter.com/nattosansai/status/1277603608628887553

https://twitter.com/nattosansai/status/1277603609979392002

https://twitter.com/nattosansai/status/1277603611279650817

https://twitter.com/nattosansai/status/1277603612659642368

https://twitter.com/nattosansai/status/1277603614089863168

https://twitter.com/nattosansai/status/1277603615574618118

https://twitter.com/nattosansai/status/1277603617030025216


シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録2

https://twitter.com/nattosansai/status/1277776507885121538

https://twitter.com/nattosansai/status/1277786514714320896

https://twitter.com/nattosansai/status/1277808979427553280

https://twitter.com/nattosansai/status/1277907714136408065

https://twitter.com/nattosansai/status/1277927551889899521

https://twitter.com/nattosansai/status/1279464875220062214

https://twitter.com/nattosansai/status/1279469416611147776

https://twitter.com/nattosansai/status/1279471389833977856

https://twitter.com/nattosansai/status/1279471390916096001


シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録3

https://twitter.com/nattosansai/status/1281433221339549696

https://twitter.com/nattosansai/status/1281433223063429120

https://twitter.com/nattosansai/status/1282151269998583808

https://twitter.com/nattosansai/status/1282152128933322753

https://twitter.com/nattosansai/status/1282153783858847744

https://twitter.com/nattosansai/status/1282154342217166848

https://twitter.com/nattosansai/status/1282157376754167808

https://twitter.com/nattosansai/status/1282158654242746368


シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録4

https://twitter.com/nattosansai/status/1282168390962954245

https://twitter.com/nattosansai/status/1282168782169882624

https://twitter.com/nattosansai/status/1282170827236995072

https://twitter.com/nattosansai/status/1282478588558635009


シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録5

https://twitter.com/nattosansai/status/1284811542333022209

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https://twitter.com/nattosansai/status/1284811544488849408

https://twitter.com/nattosansai/status/1284811545491341312

https://twitter.com/nattosansai/status/1284811546384715777

https://twitter.com/nattosansai/status/1284811548465090562

https://twitter.com/nattosansai/status/1284811550134398976

https://twitter.com/nattosansai/status/1284811553120808960

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シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録6

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シャルイースから見るアキロゼエルフ語備忘録7

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