2021年11月4日木曜日

ホロライブの二次創作設定1(わたしし)

  ホロライブを見ていて・他人の妄想を聞いていて、設定や物語を進めて他人にも共有するのが楽しいので、成形前の設定段階ですが、いくつかここに書き留めておくことにします。

 最初に開陳するのは「わたしし」。二次創作界隈では、「×」の左側は攻め(タチ)、右側は受け(ネコ)を表すというルールがあります。それに則ると、この妄想は「わたしし」です。「ししわた」はぼたんのデビュー前から盛り上がっており、ししわた最初のコラボでもとりあげられ人気のカップリングです。しかし、それの逆カプはほとんど見ません。無ければ作ればいいんだよなあ!



-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-



わたしし妄想


前提1:ぼたんとわためはししろフーズの社員寮にて2人で暮らしています。

前提2:ぼたんはギャングタウン出身で過去に色々ありました。



ぼたんは時々、不眠になる。忘れていたはずの過去の記憶が、ぼたんを安眠から引き戻す。

様々な脅威から逃げて、時には立ち向かわなければ生き残れなかった。

強大で足がすくむような相手、恐怖が脚を揺らした。

敵の弱みにつけこむために、弱い者を虐げた。

そうして恨みも多く買った。自分は突然殺されてもしかたない人間だ。

何度か寝首をかかれそうになり、死線を何度かくぐった。

ぼたんが今生きているのは、幸運か、悪運か。




ぼたんが脂汗と共に飛び起きると、そこはししろフーズ社員寮だった。

深夜にもかかわらず、わためが静かな瞳でぼたんを見つめる。

「寝顔、苦しそうだったよ。ぼたんちゃん、怖い夢見てたの?」

ぼたんはずっと不思議だった。

わためは、何度もぼたんに怯えさせられているのに、ぼたんと一緒にいる。

かなた先輩やココ先輩などと一緒に行動することもできるのに、わざわざ自分といるのはなぜ?

「ぼたんちゃんって、なんだか、放っておけないんだあ」


ぼたんはたまらず涙をこぼした。

これまで誰にも言えなかったこと、たのしくない思い出、きれいでない経験。

ラミィやねね達には、決して言えなかった。彼女たちのような明るい世界の者に、自分の汚い世界を押し付けてはいけない。

でも、わため先輩なら、ふわふわな綿毛で包んでくれると思った。どんなに不快なことでも、わため先輩は、信用できる。


信じたい。





ぼたんちゃんは、ぼたんちゃんでいるだけでいいんだよ。

ぼたんちゃんは、責任感が強いから、がんばっちゃったんだねぇ。

人間って、大変だよねぇ。

生き抜くだけで、いろんな人に迷惑かけたり、叩かれたりして、人間でいるだけで、疲れちゃうよね。




だから、わためぇが、ぼたんちゃんを人間で無くしてあげるね。




わためぇといるときは、ぼたんちゃんは誰も傷つけないし、誰からも傷つけられないよ。

説明しなくてもいいし、本当のことを言わなくてもいいんだよ。


わためぇといるときは、いつでも、人間、やめていいよ。

わためぇはね、ぼたんちゃんが、人間やめたら、かわいいと思うな。

頭、なでてあげる。お尻、触ってあげる。

あっ、喋っちゃだめだよぉ。ぼたんちゃんは、今は人間じゃないんだから。

わためぇの胸でおやすみ……




ぼたんは、ほとんど生まれて初めて、帰るべき家を持った。

建物の家ではない。わためといると、素直な自分、自分の全てを知った上で許される。

他人と会うときにはいつも通り。長年しみついた警戒や猜疑が頭をもたげる。

わためといるときは違う。人間でいることを捨て、罪という罪、責任と言う責任を全て肩から下ろし、裸でいられる。

帰ってわために一言伝えれば、ぼたんは理性から離れられる。

わためはぼたんの心のよりどころになった。




ぼたんは、家でわために甘える時のスイッチがほしくなった。

さすがに料理をしたり出かける直前までわために甘えっぱなしというのは難しい。

ふと、街中で目に留まったのは、太く丈夫な首輪。非常に大型の犬用であってヒト用ではない。

それをつければ、ヒトをやめられる。わために甘えられる。


気づくとペットショップに入って、無骨な見た目の首輪を手に取っていた。

わため先輩は、似合うって、言ってくれるかな。気持ち悪いって、言われたりしたらどうしよう。

わため先輩を、信じたい。

不安より期待が勝って、買ってしまった。


押しつぶされそうなほど不安で、言葉に何度も詰まって、わためにお願いをした。

そんな気持ちとは裏腹に、わためは簡単に「可愛いねぇ。いいよぉ」と快諾してくれた。

それがもう、嬉しくて、嬉しくて。ぼたんはわための飼い猫になった。



翌朝。

もう出かけなければならない時間。わため先輩に褒められた首輪は大好きだけど、さすがに外にまでつけていくわけにはいけない。

自分はいい、どんな目で見られても構わない。しかし、何かの拍子で、わためまで奇異の目で見られるのは死んでも嫌だ。

「ぼたんちゃん、首輪は、ぼたんちゃんだと思って、わためぇが大事に持ってるからね」

わためは、ぼたんを所有してくれるという。なんと満たされる言葉だろう。




ぼたんが用事を済ませて帰ってくると、わためがにこにこしながら待っていた。

「本当なら、飼い主のわためぇが、ぼたんちゃんの首輪を買うのが本当だったけど、賢いぼたんちゃんに先越されちゃったぁ。お詫びに、外用の首輪、買ってきたからねぇ」




ラミィ「あれっ?ししろん、そのチョーカー、可愛いね」

ぼたん「おっ、気づいてくれた?わため先輩がくれたんだあ」



-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-



 某絵師に布教されて妄想しました。ししろんが受けというのは少し難しかったですが、ぎゃんぐたうんちほーから来たという設定から、あまりひねらずに作りました。


 ししろんがぎゃんぐたうんちほーで何をやってたかは、説明できていないのですが、最低でも強盗はしているし、相手にけがを負わせるくらいはやってないと、この話の前提が満たせません。ししろんが人を殺した経験があると、話の展開が非常にやりやすくなり、わためぇへの依存も高めることができます。しかし、僕は創作の中では可能な限り人を殺したくないので(話が安直になりすぎるから)、悩みどころ。


 イメージしたのはタロットカードのstrength(力)。

 見てのとおり力の象徴であるライオンを、女性が手なずける絵です。ライオンはそのまんまししろん、女性はわためです。strengthが象徴するのは精神力、忍耐、勇気など。わためはししろんの過去を受け入れる勇気・精神を十分に備えているし、それを信頼するししろんの姿はタロットのライオンのように満ち足りた心持ちでありましょう。