僕のクラシック好き・国歌オタになった入り口の曲が、チャイコフスキー作曲の「1812年」だ。
題材は「フランスを追い返した1812年の戦争」。何度も繰り返して演奏されるフランス国歌は、ナポレオン率いる、押し寄せるフランス軍を示す。その後、フランス国歌をかき消すようにロシアの国歌を最後に流して、ロシアの戦勝を表現している。
ど派手で、愛国心を煽る、強力なプロパガンダ楽曲である。僕はわかりやすく楽しい楽曲が好きなので、同曲のことをとても好きになった。
それと同時に、フランス国歌以外にどんな楽曲が参照されているか調べた。
まず、冒頭と、曲中何度も何度も流れる聖歌は「Спаси, Господи, люди Твоя」(護れ、主よ、そなたの民を)。
続いて、不穏な空気の中現れるのは、おなじみフランス国歌、「La Marseillaise」(マルセイユの歌)。
フランス軍の進軍は止まらず、押し寄せる津波のようにフランス国歌の演奏が続く。
そこに立ちはだかったのは、ロシアの大地と、冬の寒さだった。これを象徴するのが2曲。
自身作曲の「Воевода(動画の1:48:30くらいから)」(オペラ『地方長官』のうちの1曲)と「У ВОРОТ, ВОРОТ」(門の前で)。
その後再び登場する「Спаси, Господи, люди Твоя」でフランス国歌をかき消してナポレオンを追い返し、鐘と祝砲の中、ロシア帝国国歌「Боже, Царя храни」を高らかに歌い上げる。
ロシア国民でなくても、この曲を聴くと愛国心が芽生えること請け合い。
参考
"У ВОРОТ, ВОРОТ" Сергей Лемешев, Владимир Федосеев 1971 Оркестр русских народных инструментов
「チャイコフスキー『1812年』のソナタ部第3主題/コロッセオの敗者(=死者)の門」
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