2019年1月29日火曜日

アニメ感想「アイドルマスター」劇場版

以下は2014.2.1~2.2のpostの転載です。

さて、アイマス劇場版をまず1回見てきましたが……

良い点はたくさんあるのですが、一言で言うと「出すぎ」。コレジャナイ感が非常に強いファーストインプレッションとなりました。
以下ネタばれです。

一、
劇場版で、やりたいことがわからないわけではないのです。
そもそも僕がTVアニメ版アイマスを超絶賛しているのは、本編後半で「765プロが全員集結することが少ない」からです。これにより視聴者は「765プロのアイドルに仕事がたくさんあり、それぞれに営業をしている」という認識を強く持つことができました。春香はこの状況に対してモヤモヤ感を持ち、春香の一時脱落をもって合同練習は中止に追い込まれていきました。
ここで春香は「どうして合同練習に来ないの!?」とメンバーに問うことはできません。仕事をしているに決まっており、それぞれの仕事は一件一件がないがしろにできない重要な案件だからです。春香が真と雪歩とで臨んだ現場で真は、気もそぞろな春香をいさめます。その現場は、物語前半では頼りなさばかりが目立った雪歩が初めてセンターを務める非常に大事な場でした。視聴者はこれにより、全ての現場が重要であることと、各アイドルが仕事を通じて成長していることを認識し、春香に感情移入します。場所のすれ違いは気持ちのすれ違いと直結します。各々の仕事現場に引き離され、予定が合わなくなり、唯一確実に全員が集まれる仕事である生放送(とは言え、千早が遠征行ってたりしてやはり集まれていない)が打ち切りになります。全員の心が一致しないと成功できるか不安であるライブを前に春香が危機感を覚えたのは妥当です。その鋭い感覚が見込まれたから春香はアリーナライブでリーダーを任されたのですから。
果たして春香以外は時間を共有することの重要さに気付き、春香にメッセージを送るわけです。

以上から、「同じ現場に一緒にいる」ということは、「全員の気持ちが一致している」ということを表しているのは明らかであり、劇場版で基本的にアイドル全員が一堂に会しているシーンが多いのは、アニメ版ではすれ違いの多かったアイドルが固い結束で結ばれていることを表しているとわかります。実際、練習に来なかった可奈とは心がすれ違っており、春香が千早のとき同様に可奈に会いに行くのは至極当たり前です。
しかし、合宿のシーンなどで「全員にも仕事がある」と主張しているとはいえ、やはり全編にわたって彼女らは仕事まみれにしてほしかった。売れっ子アイドルとして幾多の現場を見せてほしかった。それでこそ彼女らの成長を感じることができ、時間をすり合わせる努力も光るというものです。それを、全員で複数泊の合宿をしたり(スケジュール合わせる描写あったし、合宿だけなら僕もなんとも思わんのですが)、全員でミーティングをしたり、全員で事務所に集まったり、果ては全員で街を探しまわったりと……お前ら仕事しろ!!
だから一つ目の「出すぎ」は、「765プロのアイドルが一緒に出すぎ」です。

二、
二つ目の「出すぎ」は、「グリマスのキャラが没個性のまま出すぎ」です。まあでもこちらはそんなでもありません。
7人のグリマスキャラが登場し、合宿においてアイドルと触れ合うことで少しずつ打ち解けて行くのがわかりました。しかし、こんなに没個性な描き方でいいのか……?というのは疑問に思いました。奈緒の温泉好き設定や、百合子の妄想娘設定などが完全にスルーされ、可奈の甘いもの好き設定・変な節をつけて歌う設定のみが反映されたのは大変残念でした。
ただし、これには重要な反論が考えられます。「これはアイドルマスターの映画であり、グリマスの映画では無い。だから、単なるダンサー役のグリマスキャラに個性をつけるとかえってうるさくなる」です。これは実にまっとうな話であり、グリマス未経験者への配慮とも取れますので、僕の二点目の指摘は、僕の趣味の話として解決されます。例えば百合子の妄想設定出すと、せっかく満を持して公式化した小鳥さんの妄想と被ってしまいますからね。
でも、アリーナライブではちょっと前に出すぎなのでは……というシーンもありました。基本的には手拍子なので、バックダンサーとして間違いない動きをしているので、文句というには微妙ですか。

三、
上記2点が主ですが、他にも気に入らない点はあります。以下列挙。
・春香が可奈宅に行くのが遅すぎ。来ない→即訪問でもいいくらいなのに、ギリギリまで行かなかった。千早の時、直接家に行く行動力があったのに、可奈はそれほどでもありませんか。そうですか。
・志保、並びにグリマスメンバーができた子すぎ。せっかくビッグアイドルそろい踏みのミニライブに、単なるダンス教室のアイドル候補性が一緒に出してもらったのに、コケるとか常識的に考えてありえません。ゴシップは大いに叩いてよろしい。それなのに、控室では志保でさえ「あなたが一番できてないんじゃない」と指摘するにとどまりました。もっと責めなきゃダメでしょう!!
・そんなだから可奈が調子こきます。失敗して以後、可奈は練習に来なくなりましたが、その理由が「太ったから」。お前コケたの気にしてないのかよ!!!ライブに行ったことのある人は、自分の好きなアイドル等のライブでバックダンサーがコケることを想像してみてください。しかもミニライブであるから、台無しと言って差支えない重大事故であることがわかると思います。
・アイドルとプロデューサー以外のスタッフは逆に出なさすぎ。アイドル全員集合シーンばっかりならばそりゃーそうなりますが、TVアニメ版のような臨場感や現実味が消し飛んでいます。これにより劇場版そのものがフワフワしたものに感じ、悪い意味で「綺麗な物語」に終始していると感じました。

四、
三までで挙げたところ以外については良かったと思います。春香による全員の鼓舞(合宿最終日)、千早が発言をためらう動作(ライブに向けて意見を出し合う場にて複数回確認)・新たな趣味(写真)、伊織の複雑な気持ちと立場から出る悩ましいセリフ、律子はみんなと一緒に踊れましたし、美希はTVアニメ版で春香と競ったミュージカル主役のエピソードの時のような役を見事演じました。主人公の立ち回りも良かったし、ジュピターも良いシーンで出してくれました。
曲は何より素晴らしい。アイマス本編から持ち出しの曲に加えて新曲がちりばめられ、とても華やかでした。また、声優の演じ方や収録時のマイクの置き方の工夫など(音を拾う能力を犠牲にしてもアリーナの広さの演出を優先、劇場左/真ん中/右から聞こえる演出に差をつける、等)も感じられ、音声面では満足できました。

五、
四までが僕の劇場版への最初の感想です。これから二回目見に行って来ますが、その際にはもっと良い方への見方ができれば大変収穫と思います。



二回目です。

先に注意:
劇場版で出てきたキャラはグリーのスマホのゲーム「アイドルマスターミリオンライブ!」通称グリマスの登場人物。
モバゲーの「アイドルマスターシンデレラガールズ」通称モバマスとはキャラが全然違うので一応。でも、一瞬モバマスキャラも、劇場版に映りました。


六、
まず、一回目でわかってたけど感想に書いてなかったことから。

(1)初顔合わせの時などで、「よろしくお願いします」がグリマスキャラがバラバラなのに対して765プロはきっちり揃えてきているのは、錬度もそうですが「心が一致している」ことの表れだと思います。
他にも「765プロ~ファイト!」「オー!!」も、顔合わせすぐの時はグリマスメンバーとは揃いませんでしたが、アリーナのときは「目指せ!トップアイドル!!」と一致していました。心理面を台詞に映していく印象が非常に強い作品となりました。

(2)真と伊織がダンサーの振り付けの事で議論を戦わせているのを見てグリマスの百合子と杏奈が
「あれって、ケンカなのかな?」「違うと思う」という会話をしているのは非常に興味深い。やっぱできた子たちです。

(3)春香はちょっと思い切りが足りないな……。「一度一緒にやると決めたら、全員が家族!全員で最後までやる!脱落は許さないよ!!」とか言って即行可奈の家行ってほしかった。しかし、あれはあれで春香の個性か。
春香の良さは、自分だけでなく全員に目が行き、他との調整もできるところ。冷静であり他人に損害を与える発言は決してしない。もちろん、僕が選んだとしても、リーダーにするなら春香しかいない。

(4)最後のライブのシーン、パシフィコライブでの観客のリウムを使って合成したのだろうか?それにしてはバルログしてる人(3本以上のサイリウムを片手で持つこと)多すぎではないか……?それとも、アイマスライブってバルログばっかりなのか。

(5)公式である876プロは当然として、EDアニメーションの中で、他のグリマスキャラ(豊川風花、エミリー、徳川まつり等)やモバマスキャラ(渋谷凛)が出てる!グリマスキャラはともかく、渋谷が出るのは予想外でした。一応、服装がわかりやすい渋谷を選んだのは、顔を映さずに公式的には明示せず出すことができるからでしょうね。
あと、何気なく劇中の会場の名前にKirarinと入っていたりしたのは、これもモバマスを意識したか……?(『諸星きらり』という人気キャラがモバマスに存在)

(6)可奈がプチシューこぼすシーンがモーションキャプチャでちょっと気持ち悪かった。

(7)
・にひひっ
・Der変態!変態大人!
・寂しいわよ、寂しいに決まってるじゃない!
・伊織可愛い
・うぇ~ぶ!
・やよい超可愛い
・風呂場で千早「くっ」

(8)奈緒はわりと喋ってて僕は大変嬉しいです。大好きなので。関係ありませんがグリマスでは奈緒の好感度を一番上げてます。200超えました。

(9)可奈はなぜあのぬいぐるみにサインしてもらったのでしょう?イベントで配布されたグッズなのかしら?それとも非常に思い入れのある小物か。
僕だったらライブチケットにサインしてもらいたいな~と思いましたので。


七、
他、2回目で認識を得たこと・他人の感想を読んで気付いたこと等。

(1)
・あふぅ
・あはっ
・美希はやはり、春香・千早との3人の関係があるんだな。最後のライブでも示唆された。そういや「生っすか?サンデー」のMC3人はその観点で選ばれてたのか。

(2)志保、奈緒、美奈子は「できる子たちチーム」として、杏奈、星梨花、百合子は「がんばりましょうチーム」として若干差別化が図られていましたね。大雨で前者は伊織宅、後者は雪歩宅に泊まった際に。前者はやる気を維持し、精神的に可奈と近かったのは後者(メールが来たのは杏奈、アリーナで支えあったのも杏奈と星梨花)。

(3)映画自体、アイドルマスターの映画であって、グリマスの映画ではないのでグリマスメンバーの活躍は限定的でした。
主人公は春香で、伊織や美希や千早などがサポートし、あたかも自分の過去と向き合うような映画になっていましたね~。熱い!春香は可奈、雪歩は杏奈たち、伊織は志保、千早も美希も、自分の過去を志保に見ていたと思います。
逆から見ると、グリマスキャラにとって765プロは「輝き」の真っ最中。765プロメンバーは、後ろを振り返ることで、逆に先への展望を持つことができたのかもしれません。
日没のシーンで、「輝きの向こう側へ!」みたいにしたのがちょっとあざとかったですが、後輩の成長を見ることで、「向こう側へ」進む力を得た765プロを表現したんでしょうね。

(4)グリマスメンバーは地味なあたりを選んだとのこと。確かにエミリーとか朋花様とか茜ちゃんとか千鶴とか呼んだらストーリー食いかねんな……

(5)最低4泊5日!ホントよくスケジュール調整できましたね。プロデューサーさんお疲れ様。

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