2019年2月2日土曜日

アニメ感想「響け!ユーフォニアム」

以下は2015.6.11のpostの転載です。


響け!ユーフォニアム10話まで見た。
正直、予想していた展開なので、意外性は無かった。むしろ、もっと派手な展開になるかと思ってたくらい。

麗奈は今回もディモールト可愛い!!!!!
ムキーってなってる麗奈超可愛い!!!なにあれ!!!一体何度僕を転がらせれば気が済むの!!!!!
そしてこのエピソードの前に、親友を作っておけてよかったねえ、麗奈。

今回は、以前自身で疑問を持っていた晴香先輩の「部長らしさ」がはっきりと示された。やっぱ部長は晴香先輩しかできませんよ。10話のMVPを差し上げたいくらい。葵が抜けた際に支えてくれた香織が当事者となり、あすかはいつもながら頼りにならない、そんなとき部長はさすが部長である。若干、優等生っぽい感じで未熟さを感じさせられたが、部の不満を集約するという最低限の仕事をしっかりこなした。
あすかは上手いし、カリスマもあるし、器楽愛にあふれているが、こと人間の間をとりもつ能力は絶望的に無い。もちろん葵退部回でも晴香との会話それは明示されていたが、今回はより明確に見せられた感じ。だから香織の「あすかは部長を『引き受けられなかった』」との指摘は、あらゆる意味で間違っていると確認される。あすかは「部長職の能力が全く無く」「部長職に価値を見いだせない」から、部長に就ける人間ではなかったのだ。



以下は2015.8.14のpostの転載です。

さっきいきなりヴェーバの名言を引用した理由。

「響け!ユーフォニアム」の最終話なんだけど、

ネタバレなんだけど、

あすか先輩のセリフで、

「なんか、ちょっと寂しくない?」「あんなに楽しかった時間が、終わっちゃうんだよ。ずっとこのまま夏が続けばいいのに」というのがある。
久美子は「何言ってるんですか。今日が最後じゃないですよ。私たちは全国に行くんですから」と返す場面。

正直僕は、あすか先輩のセリフが、初見では意味わからなかった。「いやいや、全国行くんだからまだまだ練習あるじゃん」と思っていたのだ。無責任な視聴者らしく、「北宇治高校は全国に行けるんだ」と思いこんで。無駄なセリフ回しだと思ってしまったのだ。

しかし、あすか先輩の境遇を考えれば先輩のセリフも納得なのだった。
北宇治は、滝先生が来る前の昨年度までは弱小高校。全国など夢のまた夢。つまりあすかはコンクールは地区予選しか経験したことが無いのだった。
と同時に、あすかはユーフォ大好きで、吹くこと自体が喜びのようなところがある。ところがおそらく昨年度までは、北宇治では、まともな合奏だとか練習だとかは、コンクール前の期間以外ではほぼ無かったのではないか。あすかの楽しみは、夏に集約されている。
あすかはどこかで「(去年までと同じなら)これで最後」と思っている。受験も始まるし部活は引退、と。それに対しての、覚悟を持った久美子の真っ直ぐな視線。実にすばらしいシーンではないかね。

2回目に見て、ようやく、久美子と麗奈以外の気持ちというものを考えることができるようになったときにこれを気付いた。
それで「再読性」についてヴェーバの言葉を思い出したのだ。



以下は2016.12.20のpostの転載です。

アニメを後から追いかける派の私が響け!ユーフォニアムの2期5話まで見ました

努力して、自分にできる最大限の工夫をして、

それでも届かないことがあります

理由は(作中でも触れられましたが)

「実力不足」であったり、「選曲の間違い」であったりします。

しかしそれらを超えた上での、「魔」。

あすか先輩は、それを見通せなかったわけですね。

あすか先輩は自身の想像力の中で、「鎧塚みぞれ」の限界を定義し、それを揺るがす希美を排除しようとした。あすかにとっては、演奏の出来はあすか自身の出来と同一視され、自分が失敗したら演奏が悪くなるのを許容するが、自分が失敗していないのに演奏が悪くなったら許せないのだろう。それはあまりに大きい自意識過剰であり、ただし、府大会までであればおそらくその自信は通用した。

しかし、もし久美子がみぞれが希美を苦手とすることをあすかから聞き出さず、みぞれの孤立を埋めるのが優子だけだったとしたら。
希美が部に来たときに、優子一人でみぞれを助けることができたろうか。
そして、孤独な思いを「韃靼人の踊り」に集約されたみぞれが、本番直前で直撃を受け、持ちこたえられたか。

あすかは、もしそのようにして大会が終わったとすれば、「〇〇に邪魔をされた」と世の中を呪う魔女になっていただろう。なまじっか、うまい者は、そのような思い上がりに支配されがちである。
しかし、ことは複数人が協力して成すことであり、また、個人だけで支えるのには限界がある。このため、「自分だけを考えていれば良い」では、世の中はうまく回らない。成功しない。
あすかはその象徴として描かれた。



以下は2017.1.14のpostの転載です。

「響け!ユーフォニアム」2期視聴了。
いやあ最後まで可愛かったなあ。小笠原晴香。(部長)
こういう真面目っ子を好きになる。いつも。
地味だけど実力も有り、責任感もある。それでいて他人に頼ることができて、地味だけどまとめ役として素晴らしいキャラクターだった。
地味だけど。

以下感想

晴香先輩大好きです。ほんとに。
後半はずーっと泣いてたような。そこが良い。他のキャラクターって、わりと金賞獲っても少し涙ぐむくらいで、すぐに奮い立つという感じだったのに対して、部長だけぴいぴい泣いていた気がする。画面上でも、部員たちの感情吐露の一面を一手に背負っていたところがあるし、実際に部内でも部長が率先して泣くことで求心力が強まっていったのではないか。
元々晴香はゴチャゴチャした部を立て直す役として先代から部を受け継いだわけだが、適任であったと考える。最初先輩方はあすかを指名したとのことだったが、あすかはこの部の部長には適しない。というか、他人との調整に向いていないと思う。香織は香織で、晴香よりさらに統率力に欠けるところがあるので、3年の中でも中心的なメンバーの中では晴香しか部長適任はいなかったろう。
愛されキャラというか。先生とも抱き合って泣いてたな。

主人公は様々な決定的場面になぜか顔を出して目立っていた。本人に何か哲学があって他人を啓蒙しているわけではない、が、あすか先輩やみぞれ先輩とのやりとりはすべての面において奏功していた。まあ主人公だからね。
あすか先輩との対決と姉との対決での激情によって、こっち(視聴者として)こそ、お前(久美子)、そういや本当にただの高校生だったわ、確かに。と思わされた。普段麗奈や葉月ほど感情を見せるわけでもない分、久美子にも強い感情を感ぜられ、良いエピソードだった。
みぞれ先輩とのやりとりでは、主人公が完全にファインプレーであった。RPGでも解いてるかのような無駄のない動き、そして意図しなかったにも関わらず陥穽の回避(みぞれの、希美への苦手をスルーしたまま関西大会へ進んでいたら、北宇治の直前の演奏が『韃靼人の踊り』であったから、中学時の思い出を引きずっていたみぞれは平常心を確実に崩した)。
運が良く、人の心をつかんで離さない。演説さえもう少しハキハキしていれば、間違いなく次期部長候補である。

ところで、“この演技を買って、黒沢ともよを声優に選んだのか?”という疑問は、最後まで残った。違和感というか、ぎこちなさというか......それが「高校生らしい」演技なのかどうかもわからん。幼なじみとのやりとりは、自然だったように思うが、あすか先輩への告白(渡り廊下)は、もうちょっとがんばれと思わざるを得なかった。

普段は思い入れのあるキャラクターを順に挙げて感想を書くんだけど、キャラクター多すぎるし、本作は久美子に全部が詰まっているようなもんだし、いいかな。

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